トピックス


 2008年の活動について

外国人研修・技能実習制度問題について


 

 2010年度の活動について

 2008年のリーマンショックから1年後、米国と日本で歴史的な政権交代が実現した。米国では、新自由主義路線と「対テロ戦争」を推し進めたジョージ・W・ブッシュ前大統領がその基本政策に行き詰まりを迎え、「チェンジ」を訴えたバラク・オバマが大統領の座についた。日本においては、8月衆議院総選挙で「国民生活が第一」を訴えた民主党が衆議院で過半数を占め、政権交代が成し遂げられた。この半年間、G20による5兆ドル規模の景気刺激策・公共投資・銀行や自動車・電機などの巨大独占資本への国家資本投入などの救済策が実施された。他方、労働者には首切り・失業・住宅喪失・貧困化がすすんだ。

 日本経済もエコカー・エコ家電・新規住宅などの補助金・減税など総額
133兆円の補正予算による景気刺激策をとったものの景気回復への道を閉ざされたままである。
  中国など新興国やアジアでは経済成長が続く反面、米国や欧州でいまだに金融危機と大不況が続き、日本もまた出口のない大不況を深めている。日本経済は、深刻な危機の中にあり、大失業・貧困化が労働者・市民をおおいつくそうとしている。これは一過性のものではない。
 小泉政権などによって推し進められてきた新自由主義を軸とした構造改革路線によって日本社会は破壊的に再編され、貧富の格差の拡大、労働者の雇用破壊ー非正規化・貧困化が激化してきた。地方の経済や農業は、後退と崩壊を強めた。そして、世界恐慌が日本経済を飲み込んだ。年収
200万円以下のワーキングプア層は1067万人を越え、全労働者数に占める割合は23.3%に達した。「派遣切り」など非正規労働者の切り捨て・解雇が一挙にすすんだ。「年越し派遣村」に見られる事態は、きわめて深刻で社会問題となった。
  非正規労働者・派遣労働者、外国人労働者は、雇用の調整弁として「モノ扱い」されて切り捨てられているのだ。2008年秋からの1年余りの期間で、非正規労働者の解雇は政府統計で約24万人、実際は100万人を越えるともいわれている。こうした状況は、正規労働者にもおよび操業短縮や自宅待機、賃下げがすすみ、雇用調整助成金を受けている企業は1500社に上り、その結果200万の労働者の雇用がかろうじて維持されている。また、社内に滞留している「余剰人員」=「企業内失業」は600万人を越えるともいわれている。
  この2月の完全失業率(15歳以上の働く意欲がある人のうち、職がなく求職活動をしている人の割合)は男性が5.2%、女性が4.4%、完全失業者数は324万人。数字の上では雇用情勢は持ち直しつつあるとはいえ、依然として深刻であり、新規採用内定率も低く若者の就職もままならない事態が続いている。
 そこに、デフレによる低価格競争・内需低迷が重なり、企業収益の悪化、労働者の賃下げ・残業代ゼロの長時間労働・倒産・解雇にいっそう拍車がかかる状況である。
 また、貧困の問題も深刻である。日本の貧困率は、2007年が15.7%、2008年が14.9%。OECD加盟30カ国の中でメキシコ・トルコ・米国に次いでワースト4位となっている。とりわけ、1人親世帯の貧困率は、58.7%にも及んでいる。生活保護の受給世帯は、8年連続で過去最多を更新し、厚労省(0911月公表)によれば昨年8月時で1255千世帯を越えたそうだ。被保護人員も1735千人で、貧困人口1000万人以上と生活保護受給者人数にはおおきな開きがあり日本社会のセーフティネットの貧弱さがあきらかだ。こうした労働者の困窮の一方で独占資本の内部留保は拡大している。
 
独占資本の内部留保はこの10年間で2倍となり、現在428兆円まで膨れ上がっている。実に国家予算の約5倍である。
おもなところはトヨタの約134026億円をはじめとして、NTT95925億円、三菱UFJ76733億円、ホンダ7387億円、パナソニック42152億円を上位5社として業種的にも、東京電力41535億円、三菱商事29390億円、JT23051億円、JR21708億円、JFE19261億円、セブン&アイ18628億円などと、すべての業種の独占企業にわたって巨額な内部留保をおこなっているのである。これは、独占資本が賃金の抑制・切り下げ、非正規労働者の拡大によって蓄えたものである。 こうした内部留保を吐き出し労働者・市民に還元させることによってこそ、内需拡大の経済に転換していくことができるし、雇用・失業問題の一定の解決も見出すことができるのである。 
 「国民生活第一」を掲げた鳩山政権は、「ワンストップサービス」や「公設派遣村」に見られるように雇用問題・失業問題に一歩踏み込んだ対応を示したものの沖縄の普天間基地移設をめぐる問題、正念場を迎えた国鉄問題―JR不採用問題、「労働者派遣法改正案」などおおくの課題において迷走を続けている。
 おおくの労働者・市民が持っていた鳩山政権への期待感は急速にしぼみ、社会の閉塞感はより深まり、複雑になった。しかし、全国各地でこうした状況とたたかっている市民、団体、労働組合がいる。
沖縄、岩国、神奈川では、反戦・反基地のたたかいが粘り強くたたかわれている。派遣労働者をはじめとした非正規労働者は、組合を立ち上げ労働運動の前進を担っている。中小・零細の労働者も生活と権利、生存権の防衛と拡大のためにたたかっている。 反失業、反貧困、生活防衛のたたかいは、労働組合の使命だ。いまこそ、労働者は、団結して貧困・戦争攻撃とたたかわなくてはならない。

 

    大失業時代を打ち破る階級的労働運動の前進を

 

 2008年のサブプライムローンに端を発した金融危機は、瞬く間に全世界をおおいつくし、大不況を引き起こした。日本においても、一昨年秋から雇用情勢は悪化の一歩をたどり、多くの労働者、とりわけ非正規労働者の雇用と生活が破壊されている。
 こうした労働者をめぐる状況は、県東部においても例外ではなく、派遣労働者や有期労働者への「派遣切り」「雇い止め」が横行し、多くの非正規労働者が職を失い生活に困窮する状況が続いている。
 こうした困難な状況を打ち破るために反失業・反貧困・反戦のたたかいを全力で取り組み勝利しなくてはならない。
 そのための具体的課題の第一は、地域に根ざした労働運動を展開する労働組合にとって労働相談活動はきわめて大切な活動であり生命線でもある。労働相談活動を拡大・強化することだ。
 昨年度の労働相談件数は、50件あまりに達した。非正規労働者からのものは、実に多岐にわたる相談内容があり解決の道を探ってきたが、課題や内容が異なっても共通していることは、労働相談が生活相談に直結していることだ。
 つまり、「派遣切り」「雇い止め」という現実が労働者の生活そのものを破壊することに結びついている。そうした労働相談活動のなかでわたしたちは、労働法制について習熟することは当然であるが、生活保護の申請、就職活動、住居の確保など生活相談にも精通する必要があること、また、行政との連携も必要であることを痛感した。
 こうしたことから労働相談活動を拡大・強化するためには@相談員の拡充と学習、A広報活動の強化、B組合事務所の活用、C他団体、行政との連携を実践していかなくてはならない。 第二の課題は、中小・零細の労働者、非正規労働者の労働条件の引き上げを実現することだ。 そのためには、何よりも最低賃金の大幅な引き上げを勝ち取らなくてはならない。現在の広島県に最低賃金は692円(時間給)、全国平均713円からしても低賃金であり、これではフルタイム働いても「生活できる賃金」とはいえない。
大幅な最低賃金の引き上げが送球に必要である。と同時に、「同一労働、同一賃金」という均等待遇の実現も大切な課題だ。
 パート、派遣、請負、契約などの非正規雇用の労働者は全労働者の35.4%に拡大している。その賃金は、低く生活そのものが困難な状況である。女性労働者の賃金は男性の65.8%であり、非正規になると50%に満たない。また、移住労働者、外国人研修生・技能実習生もまた劣悪な労働条件の下で働き、生活している。同じ仕事をしていて低賃金であることを許してはいけない。
 また、この間労働法制の改悪が行なわれてきたが、まずは「労働者派遣法の抜本改正」を実現しなくてはならない。労働法制をめぐるたたかいは、「労働者派遣法」にとどまらず、有期雇用―有期労働契約の問題がある。労働者の使い捨てと低賃金を許さないたたかいが必要である。性別・民族・国籍・雇用形態の違いによる差別を許さず、均等待遇を実現する労働法制の実現のためにたたかおう。
 第三の課題は、これまで共闘関係にある労働組合とさらに連携を深めて、貧困、格差社会に反対するたたかいに全力を尽くそう。特に正念場を迎えている国鉄闘争への支持、連帯を強めていこう。
 国鉄闘争は23年を経過し、たたかいのぎりぎりの攻防の局面にある。闘争団をはじめとする1047名の仲間は「闘争団の納得する解決」を求めて、裁判闘争をはじめとした日々のたたかいを全力で推進している。「雇用、年金、解決金」について23年におよぶ闘争団の血のにじむようなたたかいが報われなくてはならない。全力で国鉄闘争―闘争団のたたかいに連帯しよう。
 第四の課題は、反戦・平和、反改憲闘争への取り組みを強化・拡大していくことである。
 労働組合(運動)にとって、反戦・平和のたたかいは不可欠のものである。これまでの市民団体、労働組合との共同行動の地平を堅持し、よりいっそうのたたかいを準備し、反戦・平和のたたかいの前進を勝ち取ろう。
 沖縄の普天間基地即時撤去、辺野古新基地建設阻止のたたかいは、重大な局面にさしかかっている。沖縄民衆の「反戦・平和、基地撤去への思い」に連帯していこう。また、岩国においても爆音訴訟など四つの裁判が行なわれている。
 米軍再編に反対し、基地撤去のたたかいを労働組合(運動)として全力で推進していこう。
 以上の課題をかかげて労働者の生活と権利、生存権の防衛と拡大のためにたたかおう。そして、大失業時代を打ち破る階級的労働運動の前進のために総団結してがんばろう。