過去色々な作品を制作してきたように思いますが、一貫しているのは、伝統的な(ある意味変哲もない)素材と技法を用いながらも、現代の生活空間並びに感覚に直結したものを焼きたいということです。
制作傾向としては、オブジェライクな作品と、用の器が半々といったところで、手法的には、炭化焼締と釉薬物、その他に、少しその折衷型がある、といった感じです。
オブジェライクな作品群については、何かの生物に似ている、というようなことをよく言われますが、そうかも知れません。
ただ、私としては、それを最初から意識しているわけではなく、ロクロを回したり、胎土をいじっているうちに自然とそうなってしまう、としか言いようがないのですが‥‥。
作る前のイメージデッサンとかラフスケッチなどはありません。制作は、そのほとんどを本番でロクロで行います。少なくともこのページに掲載されている作品はすべてロクロで作ったものです。
別にロクロで作ったからと言ってエライわけでも何でもないことは自明のことですが、私にはロクロという技法と道具が性にあっているのだと思います。
人によって違うかとは思いますが、陶芸には、ロクロで一気に引き上げた時の質感や躍動感、あるいは、箆取りの際の土のささくれや小石の動きなど、その瞬間で留めてこその妙味、ということが多々あると思います。
勿論くどいほど触り尽くして入念に仕上げるような作品もありますが、私の場合は、いわば「土における処女性」といったものを常に大切にしているつもりです。
いわば止め時、留めどころ、と言ったようなものかも知れません。