有明海の干潟   干潟の種類 
  干潟の持つ力   実際に干潟を見たら?
  むつごろうの一生   むつかけ

■ はじめに

 有明海は佐賀地方では前海(まえうみ)といい、潮汐の干満の差が日本一といわれ大潮時には7mにも達しますが、最深部でも20m程度といたって浅い内海です。
 干潮時には国内最大の広さである干潟(約8600ha)が姿を現します。
 晴天時には鹿島市の対岸に位置する福岡県や熊本県の沿岸(三井グリーンランドの大観覧車など)、長崎県の雲仙普賢岳を肉眼で見ることができます。

 ■ 有明海の干潟 

 およそ8万年前の阿蘇山の大噴火によって九州全体に積もった土砂が、長い年月をかけて風化して粘土質の泥に変わり、川によって運ばれて潟泥となったといわれ有明海は干満に伴う潮位変動が大きくかつ潮流が早いことから、これらが海水で戻され河口部で停滞し、堆積して広大な干潟ができました。干潟は大きな河川の河口付近に発達し、佐賀県や長崎県付近の形状は舌状になっています。堆積によって干潟面積は年々微増し、自然に陸化した沿岸の土地はそのまま農地として利用されてきました。明治時代には栄養分の多い干潟を乾燥させ肥料として田畑にまきいていた時期もあり、七浦地区には干潟を用具に入れ田畑まで担いで運ぶ時に歌っていた「新地節(潟揚音頭)」が今も伝わっています。とはいえ現在の佐賀県の沿岸部の平地は、ほとんどが干拓事業によって埋め立てられたものであり、堆積量についても河口堰の建設等によって減少しているといわれています。

■ 干潟の種類 

 干潟は大きく2つに分類され、1つは砂が混じった比較的硬い砂干潟で陸地付近が砂浜となっていてアサリなどがとれる干潟、もう1つが有明海のようにむつごろうなどといった特有の生物が多く生息する泥交じりの軟泥干潟です。これらの生物は、川の水と海水が交じり合う河口付近の塩分が薄くなっているところ[汽水きすい]でしか生息することができません。 つまり外海の魚が有明海に入ってくることはあっても逆はありえないのです。

 干潟の持つ力

 干潟にはカニや貝類、ゴカイなどたくさんの生物がすんでいます。これらが川から流れ込む有機物や栄養塩類(窒素やリン) を食べることで海水はきれいになります。=つまり浄化作用を持っています。これらの生物を食べようと春や秋には、多くの渡り鳥が飛来します。この姿を見ようとバードウォッチングをしたり、あるいは潮干狩りをしたりといった遊びの場を我々に提供してくれます。

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実際に干潟を見たら?

 道の駅「鹿島」すぐ側の干潟を見ると、ポツポツ開いた穴と体長4センチほどのカニの多さに驚かれると思います。日によってはまさに一面カニだらけというときもあります。干潟に生息するカニは100種類ほど確認されており、鹿島付近の干潟には何種類いるのかは不明です。鹿島の特産品のひとつに「ガン漬(カニ漬)」があります。「シオマネキ」又は「アリアケガニ」というカニを潰して塩辛にしたもので、これさえあればおかずはいらないという人も・・。ちなみに沖の方にある黒い塊は「カキ床」といって、干潟の上にあるカキ殻の層のことです。

むつごろうの一生 

 愛嬌のある顔立ちで、干潟と同じ泥色に鮮やかな青緑色の斑点の持ち主「むつごろう」。干潟に1〜1.5mの巣穴を掘ってすみ、干潟の表面に残った満ち潮によって運ばれてくる藻をエサとしています。ちなみに満潮の場合つまり干潟が水中にあるときは巣穴の入口を泥で塞いでこもっています。
  産卵期となる6〜7月は沖合いで産卵するため、5月以降は岸にはいなくなります。むつごろうの雄はジャンプ(求愛ダンス)で雌を誘いそろって巣穴に入り受精し、巣穴に設けた産卵室の天井に約1万個の卵を産みつけます。約9日間でふ化しその後は水中で浮遊生活を送り、体長17〜20ミリになると干潟で過ごして潟の上を飛び跳ねます。1年経つと約12センチ、2年で約16センチの成魚になります。一般的に7〜8年は生きるといわれいますが、 漁師さんの話では今は大きいむつごろうが少ないのためそんなに長生きではない気がするそうです。
 日本では有明海と隣接する八代海の北部のみに分布し、朝鮮半島から中国にかけても分布しています。昭和43年に226トン獲れていた漁獲量は、昭和62年には4トンと激減、年々減少の一途をたどっていますが、ここ1〜2年の生息状況をみれば若干増えた感じがするそうです。

むつかけ

 むつごろうがエサを求めて干潟上に現れたときに、潟スキーを巧みに操り6mの距離まで近づき、長さ5mもある竿を片手にさらに長い6本のハリがついた釣糸をむつごろうの少し先に投げ、瞬時にひっかけて引き上げるという代表的な漁法ですが、習得が難しく昭和50年頃市内に20名いたむつかけプロも今では5名ぐらいに減っています。

 

 

 

 

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