特集 volume25
2004/4/1

2003年に見たもの(下)

 2003年も、いろいろな生きものとの出会いがあり、またいろんな興味深い生態行動も見ることができました。生きものの世界は、ほんとうに不思議なものだと改めて感じたところです。
 それはそれとして、作家レイチェル・カーソンの著書のタイトルでもある「The Sense of Wonder」という気持ちを忘れずに、これからも海や山で遊んでいきたいと思っています。


7月

 やはりケラマの印象が強すぎて、辰の口にも潜ったのですが、あまり記憶にございません。
 なぜかといえば、「見たいものリスト」最後の大物であったキンチャクガニを見れたからです。思ったよりシャイで逃げ足の速いのに驚きました。
 またコンシボリガイの上品な色合いも心に残っています。
カスミアジ(07/20)               キンチャクガニ(07/19)
モンハナシャコ(07/21)            コンシボリガイ(07/20)

8月

 地元での祭りの準備もそこそこに潜りにいってしまいました。
 例年この月は、他のダイバーや海水浴客がうじゃうじゃいて、こっちの気分もあまり盛り上がらないのですが、辰の口では2度めとなるニシキフウライウオや、同じく初めてのウミテングやユキミノガイのダンスを見ることができ、盛り上がってしまいました。
 またハタタテダイの幼魚がカワハギをクリーニングしているような様子を見、ちょっと心がザワザワしました。
ニシキフウライウオ(08/03)               ウミテングyg.(08/10)
ハタタテダイ(08/10)               ユキミノガイの仲間(08/10)

9月

 エチゼンクラゲのデカいのを見て逆上し、105mmマクロでワイドみたいに水面を入れた写真を撮ってやろうなどというバカげた企てをし、見事に失敗したこと(下の写真)を憶えてます。
 そのほかは透明度がずっと悪く、ウンザリしたという印象が強いですね。
 また、エビの研究をしている方と一緒に潜る機会があったので、後々までいろいろ教えてもらったことも貴重な出会いです。
エチゼンクラゲ.(09/07)               ホンカクレエビ属の一種(09/14)
ユビノウハナガサウミウシ(09/28)            ヨウジウオ科の一種(09/28)

10月

 南からの季節来遊種(昔は死滅回遊魚といった)が増えてきます。チョウチョウウオの仲間が比較的目につきますが、ミツボシクロスズメダイなどのスズメダイの仲間、それからミノカサゴの仲間も多いですね。なおミノカサゴの仲間は、越冬してるような気がします。
 そのほかは、久しぶりにビシャモンエビのペアを見たこととか、コノハミドリガイが泳いでいる姿を偶然見ることができたことなどを憶えています。
ミツボシクロスズメダイ(10/19)              キセワタガイの一種(10/13)
コノハミドリガイ(10/25)            ビシャモンエビ(10/25)

11月

 先月に引き続き、南からの魚をわりと見ることができました。とくにテンクロスジギンポには、辰の口では初めてお目にかかりました。
 そのほか、春先にしか見たことがなかったカラスキセワタガイがいたことや、養殖モノらしい周辺が白いヒラメも印象に残っています。
 最後のダイビングで見たヤマドリは可愛らしかったですね。しかし、魚なのに何で「山鳥」なんだろう?
カラスキセワタガイ(11/3)               テンクロスジギンポ(11/23)
ヒラメ(11/23)            ヤマドリ(11/29)