区分 |
ドライログ |
ドライログ(寒切り材) |
目的・考え方 |
伐倒した木を枝葉、皮を付けたままの状態で一定期間放置し、木材中の水分を葉から蒸散作用により放出させ、含水率を低下させることにより、軽量化するため運搬効率が高まる又、製材過程で挽き曲がりが少なく歩留まりが向上し、生産効率が向上することに加え、製材後の人工乾燥期間が短くなり資本の回転が早くなること、辺材部材色が黄赤色方向に深色化するとともに単色化することにより材色、艶が良くなる。 ヒノキについては、「割れ・ひび割れ」「やけ(白太部分の変色)」等が発生することから、原則として実施しない。 |
立木の伐採は樹液の流動が少ない時期が最適といわれ、この時期に伐採した材は梅雨時期になっても樹皮が剥げず虫がつきにくいなどの長所がある。 また、例年民有林の出荷量が減少する5・6月に国有林材の出荷を希望する業界からの声もあること等から、良質材の生産と安定的な供給に資するため、寒切り材の生産を行う。 |
対象樹種 |
スギ(ヒノキ) |
スギ及びヒノキ(ヒノキを主体とする。) |
品質目標 |
葉枯らし処理後の含水率の低下は、処理後40〜50日位までに急激に減少し、その後ほぼ横ばいになる。これより長期間の葉枯らし処理は非効率的となるので、ほぼ横ばいになる含水率(70〜100%)を造材時の目標とする。 |
樹液の流動が少ない時期に実行することにより、樹皮が剥げない、虫、青(カビ)がつかない。ひびが入らない等、材質的な効果を引き出す。 |
対象林分 |
スギ全ての林分を対象とする。 |
高齢等級良質材の効果が極めて大きいことから良質材については積極的に実施すること。 伐倒から生産・販売までの期間が長くなるので、十分な生産計画を立てることが必要である。 |
伐倒時期 |
梅雨明けの7月中旬から4月上旬までに伐倒を行うこととする。4月中旬から梅雨時期までの伐倒は、放置期間が梅雨にかかるため行わないこととする。また、積雪地方における12月上旬から2月上旬の伐倒は、葉枯らし効果があまり期待できないことから行わないこととする。 |
樹液の流動が少ない11月中旬〜1月中旬厳寒期は凍結により乾燥しないので避ける。 |
伐倒方向 |
伐倒方向による含水率低下の差は少ないことから、伐倒方向は作業上安全な方向とし、極力隣接した伐倒木の枝葉が重ならないようにする。 |
枝払い |
枝払いの多・小は、乾燥期間と密接な関係にあり、最低限樹高の15〜20%に相当する梢端部分は残すこと。 乾燥の程度をコントロールする場合は、枝打ち率を増減し調整する。 |
処理方法 |
伐倒一部枝払い後、樹皮は付けたままで林内に存置することとする。 |
処理期間 |
伐倒後40〜50日間に著しい乾燥効果が認められることから、最低40〜50日とする。 ただし、気温・日照時間・降水量等の気性条件が葉枯らし乾燥にあまり効果的でない時期(10月上旬〜2月下旬、地域により多少異なる)に伐倒する場合は70〜90日とする(ヒノキについては、10〜40日程度を目安とする。) |
処理期間は、原則として70〜90日とする。 (厳寒期は凍結により乾燥しないので避けること) |
処理期間内は適宜に実行箇所の巡視監察を行い、乾燥状況、虫害発生の有無等を常に把握し、材の品質維持管理を行う |
集造材・搬出 |
一般集造材及び搬出に準ずる。 |