眼底出血を起こしやすい全身の病気

”目は心の鏡”と言いますが、様々な病気が目と関係していますので、目の診察をすれば、その方の全身状態について色々なことがわかります。
特に日常の診療で多いのは、高血圧高コレステロールによる動脈硬化の進行、糖尿病でしょう。これらは、たいていはゆっくりと進行し、ついには血管が詰まったり血管の構造が壊れて眼底出血を来たし、視力を低下させます。高血圧性網膜症、網膜動静脈閉塞症糖尿病性網膜症、網膜細動脈瘤、眼虚血症候群などがこれに相当します。
 出血しても、幸いにして軽かったり、出血した場所が目の中心部から離れている場合は視力を害せずに済みますが、逆に、出血が目の中心部(黄斑部)に起こった場合は、出血は少なくても大きく視力を損なうことがあります。
 内科や健康診断で、高血圧、高コレステロール、糖尿病などの生活習慣病を指摘された場合は、一度眼科を受診し、眼底検査を受けるようにしてください。これらは静かに進行する病気です。そして、ある程度以上になると元にはもどりません。

他の眼底出血を来たすことがある全身の病気
貧血・・・貧血性網膜症
腎障害(腎炎、腎不全など)・・・腎性網膜症
肝障害(肝炎、肝不全など)・・・網膜出血、インターフェロン網膜症
膠原病(全身性エリテマトーデス)・・・SLE網膜症
サルコイドーシス、ベーチェット病など・・・ぶどう膜炎、血管炎
白血病・・・白血病網膜症
結核・・・血管炎、イールズ病
免疫不全(AIDSなど)・・・サイトメガロ網膜炎

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気を付けて